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活動報告

国家戦略特区 伝統的建築物活用特区に関する情報提供

NOTEが取り組む国家戦略特区|伝統的建築物活用特区に関する情報提供をこちらにて行っていきます。

 

昨年、平成25年7月19日に内閣府地域活性化推進室にて開催された、地域活性化統合部会合にて、有識者として金野幸雄より以下の提案をさせていただいた事に始まる。

【会議名】

地域活性化統合本部会合>国家戦略特区ワーキンググループ>有識者等からの「集中ヒアリング」

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_y/index.html

 

【提案資料】

国家戦略特区(伝統的建築物活用).pdf

 

【内容】

伝統的建築物等の自律的活用による日本文化の体現と継承(保存から活用へ)

■伝統的建築物の現状

  • 国宝、重要文化財等として指定して「保存」する道が確保されているが、建築物の保存が主目的であり、日本の伝統的な生活文化を体験できるサービスの提供は行っていない。
  • 地方都市では、町家、武家屋敷、農家、庄屋、大庄屋、酒蔵、銀行、工場など、その地方ごとに存在する伝統的建築物の再生活用事業が試みられている。しかし、同資産の活用にあたっては各種の規制が存在し、現代のニーズに適した活用が難しい状況にある。
  • このような状況のなか、地域の「共有資産」である伝統的建築物が次々と空き家となっており、私たちは地域資産の膨大な喪失に直面している。

昭和25年以前木造住宅の件数(全国)

平成10年

193万件(住宅総数の4.4%)

 

平成20年

149万件(住宅総数の3.0%)

△23%

出典:総務省 住宅土地統計調査(平成10年、平成20年)

 

文化財の分類.png

※国宝、重要文化財としては2,433件であり、全体の0.16%しか積極的な保護がされていない。

 

■国家戦略

  • 歴史的文化的価値を有する伝統的建築物は、その地域固有の魅力を表現する根源(アイデンティティ)であり、同時にUIターン候補者、外国人を始めとする来訪者等にとって有用な地域資産でもあるため、同建築物の持続的な活用を図ることは地域の内発的経済発展の重要な鍵となる。
  • これまで検討実施されてきた建築基準法、旅館業法に関する構造基準等の個別の規制緩和ではなく、関係法令の一体的な改正により「伝統的建築物活用」の制度枠組みを創設する(地域再生特定物件制度)。

◎現行制度

 

制度

利用方法

備考

国宝、重要文化財等

建築基準法第3条(適用除外)

保存(公開施設)

一部活用例あり

その他の伝統的建築物

(空き家化、放置)

一部活用例あり

 

 

◎新たな制度設計

 

制度

利用方法

備考

国宝、重要文化財等

建築基準法第3条(適用除外)

保存(公開施設)

一部活用例あり

その他の伝統的建築物

(地域再生特定物件)

建築基準法第3条(適用除外)

※活用

活用を一般化

旅館業法第2条(新カテゴリー)

消防法等

税制支援措置

 

※宿泊、レストラン、カフェ、芝居小屋、ギャラリー、物販、シェアハウス、福祉施設など現代社会のニーズに対応した施設として幅広く活用が可能

 

■規制緩和の基本的な考え方

  • 規制基準のうち、生命に関わる基準については、現行法と同レベルの安全対策を講じるなど伝統的建築物に適合する代替策で対応する。
  • 生命に関わる基準以外の基準については、伝統的建築物の生活様式、使用実態に即して規制を緩和する。
  • これらの規制緩和対象となった物件について、将来にわたった安全性を担保するため、「地域特定物件制度」を創設する。

 

【地域再生特定物件】※具体的な制度設計については今後検討が必要

  • 都道府県または市町村による認定を想定
  • 建築基準法第3条を適用するとともに、現状変更の許可申請を義務づけ
  • 旅館業法、消防法等も含めた総合的な規制緩和

 

■対象地区

  • 当初は、事業実績や実施体制を有するモデル地区を選定。国家戦略特区の認定により、モデル地区の取り組みを加速する。
  • 一定期間後に全国レベルに展開。当面は、全国で5,000件の活用を目標とする。

 

■効果

  • 空き家となった伝統的建築物が活用されることにより、人が行き交い、以下のような多面的な効果が期待できる。
  • 町並みの保存、生活文化・食文化の復興、文化芸術の創造
  • 滞在型観光の振興、移住定住の促進、出生率の向上
  • 伝統的建築技術や伝統工芸などの継承、内発型産業の創出、雇用の創出
  • 耕作放棄地の解消、里山の再生、林業の再生
  • 日本の暮らしの再生、誇りの創出

 

■実現される地域社会像

①歴史地区の総合リノベーション

  • 城下町、宿場町、集落等において空き家が現在の生活や生業にマッチした店舗や住宅として再生活用されている。生活者が増えたことで既存の店舗も賑わっている。
  • こうした「歴史地区」の町並み、食文化、生活文化が自然なかたちで体験できる滞在型ツーリズムが展開されている。
  • 神社での結婚式、お城や大庄屋での披露宴、町家での宿泊など「町」がひとつのホテルのように機能している。

村がホテルに.png

 

  • 現状では、「用途変更のない」改修などに限定(写真の印)

 ※ 建築確認は不要(自主的に耐震補強や安全対策を実施)

  • 「活用」を一般化することで、

 1)用途変更が可能となり、「活用」が加速する

 2)伝統的建築物に関する「建築基準」体系を構築していく

 

②地方の小規模自治体の再生

  • 小さな町村において、(アート、工芸、農業、IT等それぞれのテーマに沿って、)伝統的建築物がオフィス、住居、食堂、滞在施設等として再生活用されている。
  • UIターンの若者が静かな環境で働き、暮らしている。豊かな自然のなかで子ども達が元気に遊んでいる。
  • こうした小さな町村が地域でクラスターを形成して、多様な文化を表現している。


ネットワークPosada.png

  • 伝統的建築物のクラスターによって、小さな町村がそれぞれの土地に根ざした文化を表現
  • 小さな町村のクラスターが広域文化圏を形成
  • 広域文化圏のクラスターが多様な国土を形成
     

③広域観光圏の形成

  • ①②の「歴史地区」「文化クラスター」がネットワークすることで、ヘリテージ・ツーリズムの広域観光圏が形成されている。
  • 外国人観光客が「歴史地区」を巡るツアー(日本文化を体験するツアー)を楽しんでいる。
  • 伝統的建築物、食文化、生活文化、ツーリズム等に関する広域の産業創造や人材育成が行われている。幅広い雇用市場が整っている。
  • スペインの「パラドール」:城や宮殿を活用した国設民営のホテルチェーンが全国に展開されている。

 

(参考)規制緩和等の内容

  • 以下はこれまでも個別に特区提案がなされたものである。
  • 条件付きで特区認定をうけたものも含まれているが、その条件整理が困難であったり、他法令で制限を受けたり、本来の目的が達成されていないケースが多い。
  • このような、「伝統的建築物を例外的に活用する」という位置づけの局地的な個別規制の議論をするのではなく、日本社会が「伝統的建築物は活用を基本とする」という思想、制度枠組みを持つことが重要。
  • 具体的な実施事例を蓄積することで、伝統的建築物に関する構造基準等を確立していくことも必要。

 

法令

規制内容等

規制緩和の内容

備  考

建築基準法

排煙、内装制限、通路幅、

階段 等

・伝統的建築物を宿泊施設、飲食店等に利用する場合は、同等の安全対策を講じることを前提に、第3条「適用の除外」の対象施設とする。

・現行法でも特定行政庁が条例を定めることで、第3条適用が可能となるが、これを一般化。

・「活用」を前提として制度枠組みを整備する。

・伝統的建築物に適合しない規制基準については規制を緩和する。

・例えば、茅葺き民家の維持に必要な囲炉裏の使用が制限される。

旅館業法

帳場の設置

・1棟貸し(1棟あたり1グループの利用)の宿泊施設とする場合には各棟における帳場は不要とする。

・規制緩和措置はあるが、伝建地区指定が要件となるなどハードルが高い。

構造設備基準

・1棟貸しの宿泊施設とする場合にはトイレ、洗面の数量、照度等の基準を緩和する。

・使用実態にそぐわない基準となっている(トイレ4個以上など)。

カテゴリーの

新設

・現在の旅館業法は、旅館、ホテル、簡易宿所、下宿の4つのカテゴリーとなっており、町家、農家等を再生活用する1棟貸しの宿泊形態が想定されていない。この5番目のカテゴリーを設ける。

・使用実態にそぐわない基準となっている(定員4名以上の客室の面積を総客室面積の1/2以上とするなど)。

・規制緩和として「農家民宿」があるが、対象が農林漁業者に限定される。また、客室面積33m2以下に制限される。

・陶芸民宿等も認められていない。

消防法

消防設備

・伝統的建築物の意匠に合致した工法、器具の選定等

 

その他

税制支援

・用途変更(住宅から店舗等)や改修に伴って増額となる固定資産税の減免

・適切な管理を条件とした伝統的建築物の相続税の納税猶予措置

・市民が残したい伝統的建築物等に対する文化財に準じた相続税、固定資産税の優遇 など

 

 

 

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